たばこの煙に、ダイオキシンに似た毒性を持つ化学物質が大量に含まれている可能性が高いことを、北村正敬・山梨大教授らが突き止め、米医学専門誌に発表した。喫煙者は肺がんなど健康を損ねるリスクが高いが、このダイオキシン類似物質の作用が、リスクを高める要因のひとつと考えられるという。

 ダイオキシンは、細胞内の特殊なセンサー(受容体たんぱく質)に結合してそれを活性化させることで、がんや免疫異常などを引き起こす。同じ受容体を活性化させる力があれば、ダイオキシン以外の化学物質でも似た毒性を発揮する。

 たばこにも微量のダイオキシンが含まれているが、1日20本吸ってもダイオキシンの摂取量は基準値を超えないとされる。
(読売新聞) - 7月27日14時42分更新